近年、スポーツ活動における熱中症対策は大きな課題となっています。特に夏季の運動環境では、気温だけでは判断できない「暑さの危険度」を正しく把握する必要があり、WBGT(暑さ指数)を用いた環境管理が全国的に広がっています。 文部科学省や日本スポーツ協会(JSPO)をはじめ、多くの自治体・教育委員会が、学校やスポーツ活動に対してWBGTを活用した運動基準の設定や熱中症対策の強化を求めるガイドラインを整備しており、スポーツ施設運営者にとってWBGT測定は「安全管理の必須業務」と言える段階に入りました。 本コラムでは、スポーツ施設が押さえておくべきWBGT測定の意義と、自治体で進む導入の流れ、そして施設運営者が取るべきWBGT導入の実践的な対応について解説します。
なぜスポーツ施設にWBGT測定が必要なのか
熱中症事故の増加とリスクの多様化
環境省のWBGT観測データと総務省消防庁の救急搬送統計をまとめた報告書では、WBGTが高い日ほど熱中症搬送者数が急増することが明確に示されています。
スポーツ活動は身体負荷が高く、屋外・屋内を問わず熱中症リスクが上昇するため、環境条件の把握は不可欠です。
WBGTは「気温」よりも正確に危険度を示す
WBGTは以下の3要素を総合評価する指標です。
- 気温
- 湿度
- 輻射熱(地面・日差しの熱)
気温だけでは判断できない「体感的な暑さ」を反映するため、国際的にも熱中症予防の標準指標として採用されています。
スポーツ施設が取るべきWBGT導入の実践的な対応
WBGT測定体制の整備
- 屋外・屋内の両方で測定できるWBGT計の設置
- 活動前・活動中の定期測定(30〜60分ごとが目安)
- 測定位置のルール化(直射日光下・利用エリア付近など)
WBGT値に応じた運動基準の設定
日本スポーツ協会の指針では、以下のような基準が示されています。
- WBGT 25以上:休憩を増やす
- WBGT 28以上:激しい運動を避ける
- WBGT 31以上:原則運動中止
施設として明確な基準を掲示し、利用者と共有することが重要です。
利用者への情報提供
- 施設入口や受付でWBGT値や熱中症危険度を掲示
- 大型表示器等でリアルタイム表示
- SNSや施設HPでの発信
スタッフ教育と緊急時対応
- WBGTの意味と危険度の理解
- 熱中症の初期症状の把握
- 緊急搬送のフロー整備
まとめ:WBGT測定は「安全な環境づくりを支える基盤」
スポーツ施設における熱中症リスクが高まる中、利用者に安全なスポーツ環境を提供するためには、WBGT測定器を設置し、リアルタイムの熱中症リスクについて見える化を行うことで、利用者自らが熱中症の危険度を知り、熱中症予防の行動をとれるようにすることがスポーツ施設に臨まれます。
日本スポーツ協会(JSPO)の運動指針では、WBGTに基づく活動判断が明確に示されており、スポーツ活動ではWBGT値を確認しながら行動するよう働きかけられています。
そのため、施設側が環境情報を適切に把握し、必要に応じて利用者へ分かりやすく提供できる体制を整えておくことは、安心してスポーツに取り組める環境づくりに大きく貢献します。また、WBGTをはじめとした環境情報を明示する取り組みは、施設の安全配慮を利用者に伝えるうえでも重要な役割を果たします。
こうした背景から、高精度で視認性が高く、屋外環境にも耐える据置型WBGT測定器の導入は、施設運営の質を高めるための有効な選択肢のひとつと言えます。
当社が提供するWBGT測定器は、スポーツ施設での常設利用を前提に
- 高い測定精度 (JIS規格クラス1.5準拠)
- 屋外使用に耐える堅牢性
- 遠くからでも確認しやすい大型表示
を備えており、利用者が安心して活動できる環境づくりを力強く支えます。
「安全なスポーツ環境づくり」は、正確なWBGT測定から始まります。
施設運営の質をさらに高める取り組みとして、ぜひ導入をご検討ください。
参考文献
文部科学省
日本スポーツ協会(JSPO)
環境省
暑さ指数(WBGT)と熱中症救急搬送に関する報告書(例) https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/report/R07_heatillness_report_09.pdf https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/report/R07_heatillness_report_19.pdf https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/report/R05_heatillness_report_23.pdf https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/report/R06_heatillness_report_24.pdf
